2011年厚生労働省は、これまでのがん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病の4大疾病に、精神疾患を新たに加え「5大疾病」とする方針としました。
職場によるストレスが原因によるうつ病や高齢化による認知症をはじめ、精神疾患の患者数は年々増加しており、2017年の患者調査では419万人を超え増えています。このように心の病気は誰しもが罹りうる病気として広く関心が高まりつつあります。
その一方、心の病気はわかりにくい病気であるからこそ患者さんおよびご家族にとって受診すること自体、ハードルが高く、不安があるなどの理由により診療につながらないこともあります。
私自身、これまで、北里大学精神神経科をはじめとした医療機関で精神科の救急医療に従事してまいりました。統合失調症やうつ病、認知症、発達障害の急性期医療や不安障害やストレス因関連障害など、現在のストレス社会を反映した疾患の医療を担当してきました。また、医療の提供のみならず、心の病気を抱えた患者さんが社会の中で活躍できるよう地域の福祉サービスの活用を提案するなど社会復帰支援にも力を注いでまいりました。
その中で、患者さんやそのご家族、地域の支援者への病状や治療方針の説明は非常に大事である一方、わかりにくい病気があるからこその難しさがあり、丁寧に時間をかけてわかりやすく説明することが心の病気を診療するうえで大切だと考えております。
患者さんおよびご家族が安心して受診できるように、①丁寧な診察を心掛けつつ、インフォームドコンセントの重視、②科学的な根拠に基づいた質の高い医療の提供を心掛けてまいります。③どんな些細な質問でも聞きやすい雰囲気作りを特に大事にしてまいりたいと思います。
ご相談された方が、一日でも早く心の健康を取り戻すためにスタッフ一同、最大限努力してまいります。